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烏丸の「くるくる回転図書館 駅前店」

 
今後、新しい私評は、
  烏丸の「くるくる回転図書館 公園通り分館」
にてアップすることにしました。

ひまじんネットには大変お世話になりましたし、
楽しませていただきました。
その機能も昨今のブログに劣るとは思わないのですが、
残念なことに新しい書き込みがなされると、
古い書き込みのURLが少しずつずれていってしまいます。
最近も、せっかく見知らぬ方がコミック評にリンクを張っていただいたのに、
しばらくしてそれがずれてしまうということが起こってしまいました。

こちらはこのまま置いておきます。
よろしかったら新しいブログでまたお会いしましょう。
 

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2000-11-01 本の中の強い女,弱い女 その七 『めぞん一刻』 高橋留美子 / 小学館
2000-10-31 本の中の強い女,弱い女 その六 『ルネサンスの女たち』 塩野七生 / 中公文庫
2000-10-30 本の中の強い女,弱い女 その五 『イキにやろうぜイキによ』 聖千秋 / 集英社
2000-10-29 [雑談] マキシシングルとは?
2000-10-29 [補遺] 『日本の危機』(櫻井よしこ)にみる人権派の功罪
2000-10-28 本の中の強い女,弱い女 その四 『日本の危機』 櫻井よしこ / 新潮文庫
2000-10-27 本の中の強い女,弱い女 その三 『見守ってやって下さい』 内田春菊 / 河出書房新社(河出文庫)
2000-10-27 [雑談] つっこみアフターフォロー(含,ちょっと怖い話)
2000-10-26 本の中の強い女,弱い女 その二 『一絃の琴』宮尾登美子 / 講談社
2000-10-26 新シリーズ 本の中の強い女,弱い女 その一 『たったひとつの冴えたやりかた』 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア / ハヤカワ文庫


2000-11-01 本の中の強い女,弱い女 その七 『めぞん一刻』 高橋留美子 / 小学館


【私のことだけ考えて…】

 次に述べるのは,ある若者のエピソードである。名前をK青年とでもしておこう。
 ここでことわっておかねばならないのは,このK青年というのは,断じて僕,烏丸のことではないということだ。K青年はごく普通の会社員だった。独身で,しかもカノジョってのはどんな食べ物のことかいなという枯れた状態がもう何年も続いていた。しかし僕には,じゃなくてK青年には,心に決めた恋人がいた。その女性は一刻館という古アパートの管理人で,やきもち焼きで,早とちりで,泣いたり怒ったりだけど,その若き未亡人が微笑うとK青年は最高にしあわせなのだった。
 当時,K青年は一刻館に負けないくらい古い木造アパートの2階に暮らしていたが,あまりに本が多いため,真下の部屋に住んでいた管理人家族は危険を感じてそこを物置にし,大家は会うたび出ていってほしいと強く目で訴えるのだった。しかし,本があまりに多くて引っ越し作業そのものが想像できなかった僕は,じゃなくてK青年は,しかたなく今日も天井まで積み重なった本からその女性が登場する作品を探し出し,読み返すのだった。
 K青年がそのアパートを引き払い,通販で手に入れていたPIYO PIYOエプロン(添付画像参照)を何も知らない新妻に着せ,心の中で響子さんにさよならを言うのはそれからまだ何年も後のことであった。

 ……ま,これはかなり作っているが(本気にしないように),響子さんにこんな思いを抱いていた若者は当時日本中に少なくなかったのではないだろうか。

 以前ここで紹介した『漫画原論』は『めぞん一刻』連載中に書かれたものらしく,本作の五代君と響子さんについて非常に面白い解析をしている。少し引用してみよう。

「奇妙なことに,永遠に擽ったげな擦れ違いを演ずるこのカップルは瓜二つの顔をしている。いや,そればかりではない。彼らの恋愛の成就にとって障害物である二人の好敵手(三鷹,こずえ)もまた酷似した顔の所有者なのだ」
「根本的なところで時間は少しも進展していない。誰もが大いなる停滞感覚のなかで,いつまでも同じ遊戯の反復に終始している」
「『めぞん一刻』が本質的に完結するとすれば,それは忌避されてきた惣一郎(響子さんの死んだ夫)の顔が公開される瞬間である」

 しかし,『めぞん一刻』は全15巻中,13巻の後半あたりから突然サザエさん的永劫停滞から抜け出し,終結へ向けて怒涛の寄り身を見せる。『漫画原論』は外したわけだが,予想としては外れでも,分析としては正解だったと思う。
 五代君と響子さんが結ばれると同時に,輪郭や髪型を同じくするあらゆる登場人物がトランプの一人遊びでいう「あがり」目指して綺麗に並んでいく。文字通り誰もが「かたづいて」いったわけで,それはそれまでの数年間,本作をちょっと大人向けのギャグと油断して漫然と感情移入してきた若者たちを一気に「自分は五代であり響子であり自分は自分を愛しており自分が自分を愛することが許される」状態にしてしまったということである。これではうろたえないほうがおかしい。
 それが,当時のマンガファンを毎週熱狂させ,胸をしめつけた『めぞん一刻』の結末であった。
 作者は,連載開始時,はたしてこれほどの幕閉じを考えていたのかどうか。語られることはないだろうが,気になるところだ。

 それにしても響子さんというのは,顔はともかく性格は決してよくないのである。金こそかからないが扱いづらいタイプだし,嫉妬深いし,怒りっぽいし……もう一回,最初から読も。

先頭 表紙

では、埃を払っておくので、K青年に渡して欲しいでやんす。 / こすもぽたりん ( 2000-11-04 14:08 )
をを,それはうれし,いや,K青年が喜ぶかもしれないのであります。 / 烏丸 ( 2000-11-04 01:11 )
管理人さんの巨大なポスター集を持っているざんすが、邪魔でしょうがないざんす。カラスの旦那に差し上げるざんす。 / こすもぽたりん ( 2000-11-03 18:49 )
あややさま,PIYO PIYOエプロンのほか,響子さんの顔のデザインされたマグカップなど,小学館プロダクションが販売しておりました。 / 烏丸 ( 2000-11-02 00:40 )
エルさま,烏丸が引っ越しで荷物を運び出した後,壁と畳のゆがみに管理人と大家の顔が青ざめ……あっ,K青年の話ですが。 / 烏丸 ( 2000-11-02 00:39 )
着てましたね!「PIYOPIYOエプロン」!通販で手に入るとは知らなかった!!! / あやや ( 2000-11-02 00:32 )
K丸様もぽたりん様も本で家屋を崩壊寸前にまで追いこんだ事があるのですね。。 / エル ( 2000-11-01 23:01 )
こすもぽたりんは自宅通学でありました。部屋は2階でしたが、真下に当たる1階から天井を見ると、明らかに本棚部分が歪んでおりました。泣く泣く本を捨てました。その後は寮暮らしが長かったので、あまり本を買えませんでした。寮から開放されてマンション暮らしを始めたとき、歯止めが利かなくなったのでした。 / こすもぽたりん ( 2000-11-01 20:39 )
あっ,そういうことはありませんです。人のことなら平気で実名で書きます。はい。 / 烏丸 ( 2000-11-01 18:10 )
K様はもしかして、こすもぽたりん様!?なんて。。 / エル ( 2000-11-01 17:43 )
ちなみに,K青年はどうやって大家さんの厳しい目を逃れたか。答えは,隣の部屋も借りて荷重を分散した,でした。もちろんK青年とは僕のことではありませんが。 / 烏丸 ( 2000-11-01 14:18 )
にゃんと『あの頃ぼくらはアホでした』調ですにゃ。そういえば下校途中に友人が突然、「あのさぁ、『春のワサビ』のことなんだけどさぁ」と言い出したりするほど、響子さんは我々の心に深く染み込んだのでありました。私は未だに四谷さんの「のぞきを少々…」という台詞で思い出し笑いをしてしまうでやんす。 / こすもぽたりん ( 2000-11-01 13:56 )

2000-10-31 本の中の強い女,弱い女 その六 『ルネサンスの女たち』 塩野七生 / 中公文庫


【困難,困難,悲劇,困難】

 たとえば,「曲がった線は面白く,真っ直ぐな線は美しい」という視線なしにカンディンスキーの絵を見ても,何かを得るのは難しい。順位だけにこだわって路上のアスリートを見ても,その躍動を感じとることはできない。
 同様に,塩野七生のイタリア本が面白いのは,そこに塩野ならではの歴史上の人物たちへの視線が生きているからだ。では,その視線をプリズムで分解したら,何が見えてくるだろう。

 たとえば,ルネサンス期に,古代ローマの真・善・美の復興を求める人々の心。それは,若い枝が水と光の力で伸びるように,強く高みを目指す。
 あるいは,権力。それを得るためにあらゆる権謀術数が張り巡らされ,武力,経済力が培われ,いっそすがすがしいばかりに闘いが展開される。
 領土を守ることと至高の芸術家を招くことが不可分な,夢のような,栄光の時代。

 そして,分解された塩野の視線が再び像を形造るとき,我々はそこに法王アレッサンドロ六世の息子にしてマキャベリが絶賛したチェーザレ・ボルジアという,突き抜けて生臭く,生臭さが英雄の領域にいたる稀有な人物を見る。
 塩野のチェーザレへの賛辞は,たとえばこんな一節に垣間見ることができる。
「人々は,彼らの中に,永遠の青春を見出すのだから。青春は美しい。とくにそれが,むやみと感傷的に浪費されるのとは違い,現実に足をふまえ,冷静な精神とともに大胆に発揮されたときにはなおのこと。」
 彼女の初期の作品は,常にこのチェーザレからスタートし,チェーザレに戻る。

 『ルネサンスの女たち』はそんな塩野七生の最初の著作で,チェーザレとほぼ同時代に生き,マントヴァ,フェラーラという小国を再三脅かす危機と闘う「ライオンと狐の結合」イザベッラ・デステ,チェーザレの妹で,兄の政略の道具とされながらそれなりに悠々と生きたルクレツィア・ボルジア,チェーザレと闘って敗れたもののラ・ヴイラーゴ・デイターリア(イタリアの女傑)と称えられた美しくも残忍なカテリーナ・スフォルツァ,キプロス王妃となり,ヴェネチアの崇高ともいえる偽善の中に超然と生きたカテリーナ・コルネール,この4人の女を描き上げる。

 塩野の筆はそこいらの男性よりよほど合理主義的,現実的で,ルネサンス期の書物のみならず,手紙,外交文書などの原史料の詳細な調査の積み重ねの上に築き上げられていく。その作品の手応えは,温もりある肌や血よりは大理石の彫刻のようにソリッドで,「物語」「小説」という言葉ではくくりがたい人間の確かな姿が浮かび上がる。下世話だが崇高,残虐だが美麗,明晰にして誇り高い人生の数々。

 ちなみに,著者が「ビスケットだって箱の上に明記してあるではないか」とあとがきに用意してくれた『ルネサンスの女たち』の成分表は次のとおり。
  政略結婚 八
  戦争   二
  略奪   二
  暗殺   六
  恋    四
  牢獄   二
  強姦   一
  処刑   四
  そして,権謀術数にいたっては数知れず。

先頭 表紙

『イキに……』は最近文庫化されてるざます。まだ途中かも。 / 烏丸 ( 2000-11-04 01:10 )
『イキにやろうぜイキによ』も売ってなかったざんす〜 / こすもぽたりん ( 2000-11-03 18:50 )
あちきは、あれざんす、脳の記憶容量が少ないので、キーになる逸話しか覚えてないんざんす。お恥ずかしいざんす。 / マスカメ書店店主軽薄(ママ) ( 2000-11-03 18:47 )
塩野作品では助走といったところでしょうかね。これで慣れたらフィレンツェの勃興を描いた『わが友マキアヴェッリ』,ヴェネツィアを描いた『海の都の物語』がお奨め。 / イル・モーロ烏丸 ( 2000-11-01 11:34 )
珍しい本が取り上げられてるんで、ちょっとビックリ。これ僕も好きな本です。面白いですよね、これって。 / mishika ( 2000-11-01 05:19 )
エルさま,おほめいただいて,ありがとうございます。実は,本を読む,書評書く……だけのときは,「お,けっこういいセン?」なんて自分でも天狗になるざんす。でも,今回のみたいに,読む,書く,確認に読む,書く……と繰り帰しちゃうと,元の本に圧倒されて,「だめじゃーん!」な気分になってしまうざんすー。 / 烏丸 ( 2000-11-01 02:04 )
そんな、ヘタだなんて・・!それじゃあ烏丸様の分かりやすい書評を呼んで本を理解した気になって酔いしれちゃってる私はお間抜けになっちゃいますわ!(すでに間抜けなんですが。。) / エル ( 2000-11-01 01:03 )
しかし,こういう本を紹介するのは,われながらヘタです。キーとなる逸話を本文中からささっと抜いてくる,というのができない。「神田マスカメ書店」は,そのへんほんとに巧いっす。 / 烏丸 ( 2000-10-31 23:27 )
この中に出てくるルクレツィア・ボルジアというのは,こすもぽたりんさま紹介の『世界悪女物語』でも取り上げられた女性。しかし,澁澤龍彦と塩野七生では,同じ女性?と思うくらい扱いが違います。澁澤は,そりゃもうオカルティックで怖くて絢爛。もっとも,雰囲気が違うだけでどっちも「やらせ」ばかしだったりして。 / 烏丸 ( 2000-10-31 23:27 )

2000-10-30 本の中の強い女,弱い女 その五 『イキにやろうぜイキによ』 聖千秋 / 集英社


【いい男 みつけたなぁっ】

 この週末は『ハサミ男』『私が彼を殺した』と,こすもぽたりんさまの書評に触発されてミステリ三昧でした。とくに後者は一種の犯人当てパズルなのですが(作者による正解が書かれていない),不肖この烏丸も掲示板にて拙推理を展開させていただきました。ぜひとも原作をご一読のうえ,お嗤いくださいませ。

 なーんてくだくだ書いてしまうのも,「本の中の女」が進んでないせい。何冊か候補は決まっているのですが,どう書くべきか見当がつかなかったり,読み返すのがキツかったり。今さら○○○○○○○○なんてー。

 というわけで,今日はからっとした少女マンガから,お気に入りを1つ。

 大昔の少女マンガでは,美人で優秀でお仲間が多くてというと,けなげで誠実な主人公をいじめるお嬢さまと相場が決まっていましたが,最近はなんでもアリ,トッピンシャンでもブンブクチャガマでもおっけーよ,てな御時世でございます。でも,画力がともなわないと,作者が主人公のことを「スタイル抜群,スポーツ万能,成績優秀で学園の人気者」などト書きに書いてやらないとそう見えないキャラが大半。逆に,お蝶夫人みたいでは読み手が引いてしまいますけどね。

 それでも,なかには人気者であることがすとーんとこちらにも伝わってくるキャラもありまして,その1人がサブタイトル「お祭りコメディシリーズ」も懐かしい『イキにやろうぜイキによ』の主人公,苫子(とまこ)さんであります。扶桑高校の象徴(シンボル)苫子さんは,ふわふわ長髪たなびかせ,長身スリムなセーラー服姿,成績優秀,スポーツ万能,祭りを仕切らせりゃ誰もがあこがれる気っぷのよさ。近隣の高校にまで知れわたる,ちゃきちゃきの下町のカリスマです。
 1巻の発行が1988年ですから,もう十年以上前の作品なのですが,これが連載されていた当時は,女の子の読者はもちろん苫子さんにあこがれ,男の読者は扶桑高校の男の子たちと一緒に「苫子さんと一緒のバスに乗りたいな」「今日は苫子さんの顔が見られて嬉しい」気分にひたっていたわけです。

 そんな苫子さんが,よりにもよって背も低くてぱっとしない(いちおう少女マンガですから,涼しげな美少年には描かれている)魚屋の息子・星野峻平に一目ぼれしてしまう。しかし,さすがは見る目のある苫子さん,俊平は苫子さんに安直になびくわけでもなく,正面向いて魚屋の仕事をこなし,弱小ボクシング部で意地を見せます。といってもいきなり日本チャンピオンとか世界戦とかになるわけではなく,強い相手には殴られ放題,あくまでごく普通の高校生の物語。
 周囲のあきれ顔にも負けず「あたしきっと魚屋さんになるんだわ うん」と必死でアタックを繰り返す苫子さん,ちょっと苦笑いしながら優しく拒絶する峻平。そうしていつか,きっと……。上滑りした疾走感に見えながら,胸を張って「あたしはえらい あんないい男 いない」と誰が言えるでしょう。これは,たぶん50年前にも,50年後にも,こうなりたい,そうあってほしい明るくてちょっとつらい若者の夢のお話であったりするのでした。

 というわけで,元気がほんの少し足りないときにはお奨め。
 人は誰しも,峻平ちゃんにも苫子さんにもなれるはず。とりあえず「あたしがなんとかしなくちゃ」から。

先頭 表紙

そもそも,最近の少女マンガ雑誌のメジャー,マイナーがちーともわからないざんす。マーガレットの地位はどんなもんなんざんしょ。 / 烏丸 ( 2000-10-31 18:54 )
なかなか萌えなキャラですねえ。しかし、マーガレット・コミックスって最近本屋の書棚におけるシェアが低下しているような気がするのですが、気のせいでしょうか? / こすもぽたりん ( 2000-10-31 18:42 )
うむ,しかし12年前の本に文句言っても間に合いませんが,この表紙はいけない。というか,違う。こんな背中合わせで仲良さそうなマンガではないのにー。もっとつっぱって元気のいい苫子さんがいいのにー。 / 烏丸 ( 2000-10-30 18:45 )

2000-10-29 [雑談] マキシシングルとは?

 なんだか重い本が続いています(このあとも!)。ご覧になるみなさまも鬱陶しいことでしょうが,実は読んで書くほうもしんどいのです。おまけに外は雨。そこで,ちょっと気分転換に音楽,というか音楽CDの話。

 実力派ファンク,バラードからビジュアル,フォーク系まで,なかなかバラエティに富んでにぎやかな昨今のJ-POP周辺ですが(烏丸的には70年代ロックを引き継いだような音の椎名林檎でしょうか。でも,あれは四六時中繰り返して聞くものではないなぁ),新譜紹介やヒットチャートでときどき目にする「マキシシングル」とはいったい何なのでしょう?

 メディア的には8cmシングルに収まらない長さのものを12cmで発売するもの,でよいと思うのですが,それだと「ミニアルバム」との違いがわかりません。
 かつて,ニューオーダーとかフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなど,ニューウェーブ系のバンドがどかどかリミックスバージョンを12インチシングルで出していた,そういう扱いのものだというのはわかるんですが,「マキシシングル」と「ミニアルバム」にちゃんとした区別があるのかどうか。

 気になるのでいろいろあたってみました。たまたま目にした小室哲哉によるインタビューでは,彼もマキシシングルの意味を知らないことがわかりました。「マキシシングルっていうのは,デカいようなシングルですか?」なんて言ってる。

 ……シングルとアルバムの違いは,オリコンや日本レコード協会の規定によるものらしいのですね。

 オリコンでは,データをまとめる際に,「リミックスなどを除いたオリジナル曲の数が4曲までのもの」をシングル,5曲以上だとアルバムとしているのだそうです。だから,オリジナルな曲が3,4曲入っていると,お徳でしょ,という意味合いで「マキシシングル」といって売り出す。また,その場合はシングルヒットチャートの対象となる。
 一方,日本レコード協会では3曲以内で1,600円以下のものを「シングル」と呼び,それ以外をアルバムとしているらしいのですね。不統一な話ではありますが,実際のところ,レコード会社はオリコンの規定に従って呼んでいる例が多いもようです。

 ところで,洋楽で,たとえばマイク・オールドフィールドの古いアルバムなんかは,アルバム全体で1曲(がPart1と2に分かれている)なんて例もありました。これはシングルヒットチャートにあがったのでしょうか。また,最近は「エンハンスドマキシシングル」なんて言葉まで……まったくもう,何が何やら。

先頭 表紙

よーし,では「SDYGSREマキシシングル」はオリジナル曲もたくさん入っていることだし,「アルバム」と呼ぶことにしよう……もとの木阿弥。 / 烏丸 ( 2000-10-30 20:46 )
略してSDYGSREマキシングル・・これじゃ略の役を果たしていないか。。 / エル ( 2000-10-30 18:57 )
エルさま,目標はもちろん「スーパーデリシャス遊星ゴールデンスペシャルリザーブゴージャスエンハンスドマキシングル」ですね。 / 烏丸 ( 2000-10-30 18:03 )
そのうち「スーパーエンハンスドマキシングル」なんてモノが出来たりして。。(笑) / エル ( 2000-10-29 23:58 )

2000-10-29 [補遺] 『日本の危機』(櫻井よしこ)にみる人権派の功罪

 書評(とは言えんなあ)をアップした後,読み返してみても,まったくのところ総括的な印象しか書けておらず,本書のリアルで厳しい姿勢はとても伝わりそうもない。しかし,本書の説得力は,執拗な取材(あるいは取材拒否を受けたいきさつ)と数字の裏付けがそれを支えているのであって,すなわち本を読まないとその手応えは伝わらないということになってしまう。

 ともかく,次のような方は本書を手に取り,一読することをお奨めしたい。
一,税金や年金資金の使われ方に疑問を感じている方。
  (逆にこれまで一度も疑問を感じたことのない方。)
ニ,郵政の仕事や農協についてこれまでとくに気にしたことのない方。
三,21世紀に向けて,子供の教育に不安を感じる方。

 ここでは三つめ,子供の教育について,本書からいくつか話題をピックアップしてみよう。

 ちょっと大げさな言い方だが,現在の日本では,「人権」という名の無敵モードの怪物が教育の現場をのし歩いている。弱者(少年,非差別者など)の人権を憂慮するあまり,他者の権利まで蝕む例が少なくない。たとえば,殺人を犯した少年の人権を守らんと裁判に人権派の弁護士が何十人も集い,加害者の名前や写真を公にすることに過剰反応するあまり,結果として被害者の人権が無視される。

 極端に人権教育に突き進んだある県では,学校教育全体が「人権」という切り口で仕切られ,過剰に平等や権利を押しつける。その柱は「差別・選別をしない」ことにあり,軍隊を思わせる「起立・礼」「前へならえ・気をつけ・休め」はなし,差別になるからと運動会のリレーも行わない。学力についても結果としての平等を守るため,どんどん低い水準に足並みそろえ,進路指導でセンター試験を受けるなと言われることもある。さりとて県内外の私学や国公立付属校を志望すると,教師にどなられるだけでなく,生徒仲間でも苛められる。

 また,行きすぎた少年法の遵守,体罰への拒絶反応は,たとえばこんな事件を呼ぶ。
 ある高層マンションのおどり場を中学生がたまり場にし,喫煙,放尿のし放題。付近の住民が学校に通報し,教師4名が駆けつけたところ,過去にも喫煙と万引きの経歴があった野球部の部員がいたことから野球部顧問の教師が彼を拳で一発殴る。その場は当人,親が謝罪するものちに問題化し,教師は異動させられる。少年は罪を問われるどころか教師を「飛ばした」とヒーロー扱いされ,卒業していく。
 つまり,社会では許されない行為が学校では許され,結果的に無法地帯となっている。しかも,その責務は親や社会ではなく,常に教師や校長が負う。
 多くの中学校にはすでに教師が生徒を見下ろす「教壇」はなく,授業中の私語を注意する力が教師にはない。注意すると逆に「子供には授業を聞く権利がある」と抗議されるのだ。授業を聞く権利を放棄し,さらに他の生徒の権利を侵害していることは放任されるのである。

 今の学校では,たとえば授業中に生徒を指名し,当人が答えられないと,親から電話で「わからない問題で当てないでくれ」と抗議される。学級通信に「誰それは○○でよく頑張った」と書くと,「載らない子の気持ちを考えてやめてほしい」と注意される。その場で反論しても,すぐに教育委員会,さらに議会などに通報されて大騒ぎになるので,いずれ抵抗は無駄である。

 しかし……そんな子供たちも,いつか外の砂漠に出て,自分で水を探さなければならないと思うのだが。それともこの国では,子供が死ぬまで親が何もかも面倒みてやれるとでもいうのだろうか?

先頭 表紙

ちなみに『日本の危機』について言えば,「ここがこんなに危機!」という部分はかなり納得ですが,たとえば税制などについて「こうすればよいのでは」の部分はそれほど力は感じませんでした。そう簡単に対策が出るなら国として苦労はないよなー,という気がします。 / 烏丸 ( 2000-10-30 01:53 )
peachさま,櫻井よしこ氏の説得力は非常に強いもので,(男だから,女だからということとは関係なく)確かに烏丸も鵜呑みにしてしまいそうなところは多々あります。ですが,1つ1つの数字や現象についてちゃんと自分の手で確認していないことを鵜呑みにするのは,それはまた別の意味で問題です。「わーい,全部信じちゃう」というのは,必ずしも櫻井よしこ氏が喜ぶ読み方ではないでしょう。 / 烏丸 ( 2000-10-30 01:52 )
エルさま,お見事です。ちなみに,実際にそれに近い若者も,知っています。 / 烏丸 ( 2000-10-30 01:46 )
成長して自分で水を探せない大人になった時は「小さい時に大人がきちんと教えてくれなかった」又は「私はアダルトチルドレン」という免罪符をかざすのですね。 / エル ( 2000-10-29 23:54 )
烏丸様、櫻井さんの本に書いて有る事を私は殆ど鵜呑みにしてしまう位、信頼している方なのですが、男性から見て読まれてその内容の信頼性度は如何でしょうか?櫻井さん自身にもお会いして、お声も掛けて頂いた事が有るのですが、個人的にも素敵な方なんですよぉ〜。 / ふぁん@peach ( 2000-10-29 19:58 )
政治,経済の問題も心配ですが,教育はそれ以上に深刻です。「今どきの若いものは」というのはギリシア哲学の時代にも言われていた永遠のテーマかもしれませんが,それにしても妙な教育,教科書がはびこっているようで,次代が心配です。 / 烏丸 ( 2000-10-29 14:11 )
烏丸様再びお邪魔致しますが、この本には現在の日本のチョッとについて詳しく書かれている様子なのですね。(気になる所も有りそう)残念ながらまだ目にした事が有りませんが、読んでみたいです! / peach ( 2000-10-29 02:42 )

2000-10-28 本の中の強い女,弱い女 その四 『日本の危機』 櫻井よしこ / 新潮文庫


【豊かな隷属国・ニッポン】

 1995年のオウム・地下鉄サリン事件で最も活躍した女性といえば,坂本弁護士一家拉致事件以来ずっと,生命の危険をおしてオウム真理教を追求し続けたジャーナリスト,江川紹子の名を挙げて異論のないところだろう。
 そしてもう1人強く印象に残ったのが,当時日本テレビで報道キャスターを担当していた櫻井よしこだった。
 地下鉄サリン事件当夜,正体不明の犯人たちの足取りを最も正確に推測し,さらに霞ヶ関を狙った犯行の目的を断言したのは同局の「きょうの出来事」だった。さらに,その後しばらく,信者の青山吉伸元弁護士が報道番組の取材に応じたのだが,身勝手かつ非論理的な応酬に全国の視聴者がいらだつ中,最も常識的,最も効果的に質問を浴びせたのもまた彼女だったように思う。オウム真理教側がその後窓口をロシアから帰国した上祐史浩外報部長(当時)に切り替えたのは,その番組で青山が絶句したからでは,と一部のウォッチャーの間では有名だった。

 櫻井よしこはベトナム生まれ,ハワイ州立大学歴史学部卒。クリスチャン・サイエンス・モニター紙東京支局員,日本テレビニュースキャスターを経て,現在フリー・ジャーナリスト。彼女が週刊新潮に連載したレポートをまとめたのが本書『日本の危機』だ。

 目次を見てみよう。誰も止められない国民医療費の巨大化/年金資金を食い潰す官僚の無責任/国民の知らない地方自治体「大借金」の惨状/族議員に壟断された郵政民営化の潰滅/税制の歪みが日本人を不幸にしている/教育荒廃の元凶は親と日教組にあり/農協は農民の診方か敵か/国民の声を聞かない官僚の法律づくり/スピード裁判なぜできない/政治への無関心があなたの利益を損なう……。
 ほか,大手メディアの罪悪,人権派の弊害,少子化と母性喪失問題,女性問題,対中国外交の弱腰など,21にわたる問題が提起され,その口調は辛口と言う言葉では物足りないほど苛烈で厳しい。しかし,厳しく指摘されるだけのことをこの国はしてきており,その柱はさらに傾く一方なのである。

 カエルと水を鍋に入れ少しずつ温度をあげていくと,危機に気がついたときにはカエルはもう動けず死んでいくという話をご存知だろうか。この国はすでにかなり煮立ちつつある鍋の中で,安閑と泰平を満喫しているかのようだ。その無知を傲慢を,櫻井は厳しく叩く。責められるのは保身と利権に走る官僚,メディア,政治家,法人だけではない。知らぬまま放任する国民もまた責任を放棄していることでは同様である。

「子供じみているうえに卑怯である。」(族議員に壟断された郵政民営化の潰滅)
「少なくとも自らの誤りを認め,より広い視点でとらえた全体像を示してみよ。」(朝日新聞「人権報道」に疑義あり)
など,本書における追究の口調は厳しく,著者に対する各省庁,メディアからの反論も厳しいと聞く。
 もちろん,すべて櫻井側が正しいと考えるのは無理だろう。いくらスタッフに恵まれても,一個の人間がこれだけの領域を網羅し,すべてにおいて全体像と各論と改善案を正確に把握するのは困難に違いない。しかし,疑惑の数字,つじつまの合わない事実がこの国にあふれていることは事実であり,これに応えるのは省庁,メディアのみならず全国民の義務だろう。
 そして国民が応えるべき相手は櫻井ではない。国民である。

先頭 表紙

それはなぜかと考えれば,おそらく,テレビや日常生活で言葉が消費,浪費されず,いったん削られて,力のあるものだけがその人に残るからか,なんて思います。だから,ゴーマン美智子さんのように文法的修辞的に美しいケースだけでなく,もの売りが聞きかじりで覚えた「センエン,ヤスイヨ」の類いもその音と意味のタイトな切実さにおいて美しいのです。 / 烏丸 ( 2000-10-30 11:52 )
櫻井よしこさんの日本語を聞いていると,海外で生まれ育った方や,永年住んでいる方の日本語が,一種純粋培養というか,非常に美しいものであることを思います。女子マラソン初期の名選手,ゴーマン美智子さんのテレビ解説は,ビデオに録らなかったのを悔やむくらい美しい言葉遣いでした。 / 烏丸 ( 2000-10-30 11:49 )
烏丸様の仰る通りです!柔らかいけれど、血液製剤の問題の時にも阿部英元帝京大副学長との遣り取りも素晴らしかったですよね。。。 / 憧れてしまう@peach ( 2000-10-29 20:02 )
peachさま,いらっしゃいませ。櫻井よしこさんは,「ですわ」口調で相手をぐいぐい締め上げていきます。彼女のように攻めの厳しいジャーナリストがたくさんいればよいのに,と思います。 / 烏丸 ( 2000-10-29 14:09 )
烏丸様、お邪魔致します。櫻井よしこさんの今日の出来事が違う方になってしまってからと言うもの、出版された本は殆ど読んでいると想います?彼女の正確で的確な辛口であったり、優しい表現に憧れています。。。今読んでいるのは「論戦1999」なのですが、頷きながら、、、です。個人的にも大好きな方です! / 憧れの才女@peach ( 2000-10-29 02:37 )
このカエルの話を48時間以内に読んだ記憶があるのですが、途中に酒が入っているので、どの本だか思いだせず…かなり健忘症が進んでいる模様で、多少薄ら寒い心持ちでやんす。 / こすもぽたりん ( 2000-10-29 00:43 )
櫻井おねーさま萌えっ,みたいな文章書きたかったのに,何度もページめくってるうちに影響受けちゃって,これじゃあへたくそでうるさいだけの街宣カーみたい。 / 烏丸 ( 2000-10-28 22:06 )

2000-10-27 本の中の強い女,弱い女 その三 『見守ってやって下さい』 内田春菊 / 河出書房新社(河出文庫)


【セミヌードな心】

 内田春菊,最初のエッセイ集です。
 数ページごとにイラストが載っていることもあって,通勤の片道で読めてしまいます。内容も,日常生活や仕事のあれこれを背伸びせずにつづったもので,他愛ないといえば他愛ない……。

 問題は,引っ込み思案な少女が書いたようで,そのくせ肌の下の血管が透けて見えてしまう,この文体です。さらけ出しているはずないのに,かなりすっぴん。媚びてるふうでないのに,若さが悩ましい。
 少し,文体というものについて考えてしまいました。

 かつて,1970年代後半から1980年ごろにかけて,若手女流作家が続けて現れ,ちょっとしたブームになったことがあります。
  『海を感じる時』(中沢けい)
  『もう頬づえはつかない』(見延典子)
  『葬儀の日』(松浦理英子)
  『ダイアモンドは傷つかない』(三石由起子)
  『1980アイコ十六歳』(堀田あけみ) などなど

 その当時感じたことですが……女性の文体には,勝てない。

 表現の力において,本来勝ち負けに性別は関係ないはず。にもかかわらず厳然と違いはあって,女性が女性であることを剥き出しにしたとき,男は絶対に勝てないのです。
 これは何故だろう,ときどき考えるのですが,そもそも論理的な命題ではないのでいくら考えても正解が出てくるはずもありません。

 ただ,『見守ってやって下さい』を読んで,電車の中で読むにはちょっとつらいえっちなイラストや,ひらがなの多い,シャワーのお湯をはじくような文体にふれて,ちょっと気がついたことがあります。
 これ,セミヌードだ。
 若い女の子がセミヌードになったら,男は勝てない。オールヌードなら,勝負にもちこめるんです。こちらも脱ぐか,逃げるかすればよい。でも,相手がセミヌードだと,逃げも脱ぐもかなわず,おじさんはもじもじと座って,白旗,振るしかないのです。

 もうひとつわからないのは,文体はナチュラルとして,どうして若い女性である作者が,男が動揺するようなえっちなイラストを描けてしまうのかということです。若い男が妄想を紙に写しても,普通はもっとヘタクソ。
 なぜ彼女は,男たちの妄想,つまりこの世にいない架空の女の子を正確にトレースできてしまうのでしょう。男性体験が豊富とか,そういった下世話な理由づけでは無理です。木の葉や枝にそっくりな虫が,自分の姿を外から見らないはずなのにそういう姿になった,それと同じくらい説明がつかないことなのです。

 けれど,内田春菊は,そのうち自分をカミングアウトしてしまい,『私たちは繁殖している』や『ファザーファッカー』の仕事でオールヌードになってしまいました。評価は得ているようだけれど,まぶたの線を最後まできちんと描いてしまう内田春菊,それはもう僕のマターではありません。

先頭 表紙

おお、失礼。いつの時代の本か知らなくて。無知ですみません。 / ゜))))彡 ( 2000-10-28 21:46 )
ゝ゜))))彡さん,こんにちは。このエッセイが書かれたのは16,7年くらい前だから,若い女の子,でかまわないんじゃないでしょうか? てゆか,今だって十分若いといってよいと思いますが。 / 烏丸 ( 2000-10-28 12:24 )
激動の女性、春菊。α、β、γの次の子供はシータか・・。 / あやや ( 2000-10-28 08:17 )
初めまして。内田春菊さん……若い女の子じゃないですよね……比喩????? / ゝ゜))))彡 ( 2000-10-28 02:12 )
たら子母さま,打ち明けてしまえば,実はこの烏丸,女子でなければ遺産は相続しないという祖父の目をごまかすために十歳まで少女として……ウソです,そんなマンガのようなことは何もなく,遺産にも縁はありません。単に子供のころ近所にマーガレットやフレンドの好きな従姉が住んでいて,いつも読ませてもらっているうちに当たり前になってしまっただけです。 / 烏丸 ( 2000-10-28 01:02 )
烏丸様、打ち明けてしまえば、私最初は烏丸様は女性であると思い込んでました。だって少女漫画にあんなにお詳しいんですもの。 / たら子母 ( 2000-10-28 00:32 )
で,本文中のイラストをスキャンして,とも思ったのだけれど,使用目的が「引用」の範疇をはずれるような気がして……。 / 烏丸 ( 2000-10-27 19:16 )
それにしても,春菊の本とは思えないこの表紙。装丁者がタズラさまのファンだったのか。2輪。 / 烏丸 ( 2000-10-27 19:13 )

2000-10-27 [雑談] つっこみアフターフォロー(含,ちょっと怖い話)

 ここしばらくの「くるくる」内のつっこみのアフターフォローです。

 まず,偕成社の「伝記世界の作曲家」シリーズ。
 昨日,帰りにちょっと大きめの書店に寄ることができたので見てきました。本文の文字も大きくて,そうですね,本の造りとしては小学校高学年向きといった感じなんですが……ちゃんとエルトン・ジョンの伝記には同性愛やドラッグについて普通の音楽雑誌の記事程度にはちゃんと書いてありました。立ち読みで数冊ざざざっと眺めただけですので,チャイコフスキーの場合,同性愛志向(嗜好か?)について書かれているかどうかは確認できませんでしたが,心の通わぬかなりとんでもない結婚だったことは十分うかがわせるなまぐさい内容になっていました。
 写真などもそれなりに豊富で,好きなミュージシャンの資料として持っていて悪い本ではないとは思うのですが,なぜにそれをわざわざ子供向け,それも明かに小学生向けとして販売しているのか,偕成社の本意は謎です。
 もっとも,たとえば烏丸がアウシュビッツの強制収容所について知ったのは小学校のときで,それは子供向けの本ながら山のような髪の毛や裸で追いやられる女性の写真,石鹸の話などが載っていました。「小学生だから無難にこのくらい」と考えることのほうが「子供だまし」なのかもしれません。

 続いて,岐阜県富加町,町営住宅の怪現象の件,もうあちこちのテレビ番組などでも取り上げられ,新鮮味はなくなってしまいましたが,その後もれ聞いた話では,入居時に4階建ての1階にお年寄りが振り分けられ,それで住民と町役場の間でいざこざがあった,という話です。それでなんとなくこの町営住宅に不満を抱えていた上のほうの階の住民が,建材の伸縮による音(昼と夜の温度差や乾燥の具合で家屋が鳴るのはごく普通のこと)に過剰反応し,ストレスから「何かいる!?」という気持ちが高まった,ということかな,と思われます。……もし霊の仕業でないなら。

 その話題の際にちょっと触れた,妹が嫁いだ家の近所の話。用事で電話をかけたので,ついでにもう少し詳しく聞いてみました。
 その場所というのは,小高い丘の緑の中に,ぽつんぽつんと一戸建ての家が建っているという具合なんですが,そこが「出る」と言われるのも当然,その丘は古いお墓だったのだそうです。それをバブルの盛りのころに,不動産業者が十分な御祓いもしないまま,がががっと荒っぽく造成してしまったというのですね(映画「ポルターガイスト」のまんま!)。しかも,生木が生えているのをきちんと掘り起こしたりしなかったため,建てつけも非常に悪い。おまけに,そういう安造りのわりに,なにしろバブルの盛りなので,非常に高い価格帯で売られ,無理をして買った若い夫婦など,文字通り夜逃げした家が何軒もあり,夜ともなると陰陰滅滅として,余計にいけない。今でもいくつかの家で「出る」そうです。
 妹夫婦はその土地も購入の候補にしていたそうで,今はほっと胸をなでおろしているとのことでした。
 実は,その近辺のほかの,いわゆる「心霊スポット」についても聞いたのですが,それはまたいずれ。

先頭 表紙

しかも階級書き間違えるしー。とほほ。 / 烏丸 ( 2000-10-28 01:55 )
烏丸Zは真面目で心優しいのですな。烏丸Gは… / こすも・F・ぽたりん ( 2000-10-27 19:26 )
おまけに多重人格で,烏丸Aが書いた怖い話を読んで,烏丸Bは怖くてトイレにも行けないのであります。 / 一緒についていく 烏丸C ( 2000-10-27 17:50 )
ところで烏丸様はもしやサディズムでマゾヒズムで露出狂とか・・・? / エル ( 2000-10-27 16:43 )
おおお、烏丸様、詳しい解説ありがとうございます!!これなら新たに日記をかかれた方が良かったのでは。。突っ込みにしておくのは勿体無い。しかし芸術家っていうのは永遠の少年少女で精細かつ無頓着じゃなきゃやっていけない職業でありますね。。確かに一般人でカミングアウトする人まれですね。一見,同性愛先進国のように見える米国も、ちょっと田舎街いけば同性愛者は人間扱いされなかったりしますし。それが、こそに「芸術」の文字が引っ付くと途端に才能へ早変わり。 / エル ( 2000-10-27 16:43 )
と,あだこだ書きましたが,烏丸,同性愛のシュミはまったくないので実はよくわかっておりません(性倒錯のほうは……このうちいくつかは,今どき倒錯ですらないやん)。きっと芸術家ではないんでしょう。 / 本フェチ? 烏丸 ( 2000-10-27 16:05 )
また,芸術家は少年少女のまま常人よりゆっくりと年をとる,という考えがありますから,60歳でやっとフロイトの言う口唇期を抜けて肛○期,ということもあるでしょう(じゃあ,男○期になったらどうなっちゃうの? とも思いますが,その前に寿命で死んでしまうのでしょう)。 / 本文より疲れた…… 烏丸 ( 2000-10-27 16:01 )
そもそも芸術家が作品のインスピレーションを得ようとする行為はある面非常に受動的で,性的には男性原理より女性的姿勢(今どきは逆かも(笑))になりやすいかもしれません。また,芸術的行為は既成概念に対するアンチテーゼをつむぐ行為でもあるわけで,その意味でサディズム・マゾヒズム・露出狂・窃視・肛○性交・フェティシズムなどの性倒錯に走ることは理にかないます。 / 烏丸 ( 2000-10-27 16:00 )
いくつか理由が考えられますが,音楽家に限らず芸術家は全般に私生活に無頓着で,また周囲もその私生活を知ろうとする結果,性癖などがオープンに話題になりやすい。しかもオープンになっても,普通のサラリーマンやアイドルタレントと違って,デメリットとなりにくい(隠す必要があまりない)。……つまり,実はそこらの普通の人にも同性愛者は多いのに,把握できてないだけかもしれません。 / 烏丸 ( 2000-10-27 15:58 )
音楽家の人達は同性愛嗜好(なんとも曖昧な書き方・・)の方が多いみたいですね。私も昔読んだ本に「○○○は同性愛者というより、肛○性交嗜好者だった」と書かれていてぶっ飛んだおぼえがあります。クラシックでは作曲家だけじゃなく指揮者も多いですね。 / エル ( 2000-10-27 14:17 )
「スティング」は昨日の本屋にはありませんでしたが,このシリーズ,子供向けかどうかに関係なく1人のミュージシャンを体系づけて紹介する本として読むとそれなりに面白そうです。「メル・コリンズ」とか「アラン・ホールズワース」とか,全貌のよくわからん人でこういうのがあればよいのですが……。 / 烏丸 ( 2000-10-27 11:54 )
偕成社の伝記、近所の図書館に全巻揃っていたので、とりあえず「スティング」を借りました。彼がセックス・ピストルズにも影響も受けたこと、脚注にもパンクについて説明がありました。おもしろいので別の巻も借りてみようかと。 / けろりん ( 2000-10-27 02:27 )

2000-10-26 本の中の強い女,弱い女 その二 『一絃の琴』宮尾登美子 / 講談社


【無明の夢やさめぬらむ】

 『一絃の琴』は,高知出身の作家宮尾登美子が,地元に伝わる一絃琴を題材に幕末から昭和にかけて女二代の人生を克明に描き上げた小説。上梓まで17年,書き直すこと5回と言うだけあって,全編,か細くも凛とした絃の音漲る稀有な作品。作者は本作で直木賞受賞。

 一絃琴は須磨琴とも呼ばれ,在原行平(業平の兄)が須磨の浦に流された折,浜に流れ着いた舟板に冠の緒を張って葦の端を指に巻いてかき鳴らしたのが端緒とされる。ただし須磨琴は合奏が主で,土佐に伝わる一絃琴とは奏法が異なる。
 その後,一絃琴は京都をはじめ各地で盛んに演奏されるが,やがて衰退し,明治になって伊予上野村の千足神社の祠官の子に生まれ,正親町中納言家の一絃琴取締役を務めた真鍋豊平が一念発起し寂びれた一絃琴再興のため全国を行脚。郷士門田宇平が京から戻って土佐に伝えた。

 『一絃の琴』の主人公は,この豊平門下の門田宇平に学んだ沢村苗。士族の娘に生まれた苗は,年に一度沢村家を訪ねる旅絵師に琴を与えられ,のちに門田宇平に習い,さらに宇平門下の松島勇伯を師と仰ぐ。身勝手の許されない時代と女という性の故,二十有余年琴から離れるも,のちに土佐の名士市橋公一郎の後妻として市橋塾を開き,最盛期四百人とも言われる子女を集めて一絃琴を教え広める。しかし,公一郎の死とともに市橋塾は閉ざされ,苗は養女稲子の育成に没頭する。
 後半は,有り余る美貌と才能,家柄を誇り,市橋塾を継ぐ者と目された岳田蘭子が,その驕慢さゆえ苗に否定され,長い年月の果てに高知へ戻り,一絃琴を再興して人間国宝に指定され,死ぬまでを描く。

 宮尾登美子は実在した一絃琴の担い手として苗と蘭子の二人をねばり強く描き上げる。どこまでも堪える苗(吽)と華やぐ蘭子(阿),この二人の対照的な性格,一絃琴への姿勢,強さ。幕末,明治という時代の中で圧殺され圧殺されてもなお息吹く苗の個,それに対し,あらゆるものを手にしながらただ一度の敗北に狂おしく身悶えする蘭子。作者の筆は底意地が悪いほどに二人の人生を踏み躙り,斬り刻み,ただ一絃の響きのみが蕭然と漂う。
 行平,豊平,宇平,有伯,旅の絵師らに綿々と伝わる琴の音の寂寥感。それを代表するものとして,架空の登場人物,仲崎雅美と共に時の向こうに消えてしまった有伯直伝の「漁火」が心を打つ……。もっとも「漁火」は存外に華やかな曲だというが。

 『一絃の琴』は最近NHKで苗(田中美里),蘭子(吹石一恵)ほかでドラマ化された。ドラマでは,有伯の死やその娘の扱い,苗の婚家など,あれこれ原作と異なるところも少なくない。
 また,一絃琴はこの烏丸とも因縁浅からず,この正月に亡くなった家人の父親は真鍋豊平の生家と同じ伊予上野にあって一絃琴の制作で知られ,家人もまた母親より一絃琴を学んでときに廬管を両の指に嵌めて弦をかき鳴らす。琴は『一絃の琴』冒頭で旅の絵師亀岡がこしらえた通り素朴な木の造り,今週末には真鍋豊平没後100年を記念する演奏会が催される。

 伊予上野に往く風眇々,返す風蕭々。

先頭 表紙

わーははは,烏丸の書くものをマに受けてはいけません。演出,演出。で,本物の家人のキャラといえば……〓仝★!(#◇▲%&……回線ガ切断サレマシタ……ツーツーツー……。 / 烏丸 ( 2000-10-27 11:57 )
……かくも典雅な麗人とご一緒でいらっしゃるとは。返す返すも、過日の暴言、平にご容赦下さいまし。 / 恥じ入るばかりの蛮人 ( 2000-10-27 06:26 )
エルさま,ストーリーはかなり変わっていました。苗の師匠の有伯は女がらみで殺傷沙汰,しかも苗の弟子の仲崎雅美は有伯の娘という扱い。さらに後半,蘭子は「塾の後継ぎにしてもらえない」役だけという扱いで,物語は苗が塾をやめ,一人で思うさま琴を弾く,というところで終わってしまうのです。でも,テレビドラマ化するとしたら,妥当なセンだったでしょうか。 / 烏丸 ( 2000-10-26 21:00 )
田中美里で今思い出しました、NHKのドラマ。確か、たまたま途中一回だけ見て「なんやこれ!」と言ってその後見てなかったのでした。うーん全部見とけば良かったです。原作との違いを突っ込むチャンスを逃してしまいました。 / エル ( 2000-10-26 19:09 )
この本読んだ後でNHKのドラマ見ると,いかに時代劇にウソが多いか考えさせられてしまいました。少なくとも,嫁に出たものが連れもなしにすたすた実家に帰ったり,使用人が座敷で主人に反論するなんて,あるはずない。逆にいえばそういう時代に嫁いだ身でなんらかの実績をのちの世に残した,というのは相当凄いことに違いありません。 / 烏丸 ( 2000-10-26 15:55 )
動乱の幕末から昭和を生き抜いた女性の人生を軌跡を見ると、ぐうたらな身が引き締まる思いです。もう一度この本読み返してみたいです。 / エル ( 2000-10-26 13:31 )

2000-10-26 新シリーズ 本の中の強い女,弱い女 その一 『たったひとつの冴えたやりかた』 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア / ハヤカワ文庫


【太陽のまっただなかに】

 企画段階できちんとベスト10を決めておられるケロロ軍曹と違って,ディスプレイに向かって書き始めた今にいたってもメモ1枚用意していないこの烏丸。しかも新シリーズのテーマたるや本の中の女たち!! そんな人生の大テーマなのに,手ぶらで大丈夫か!?
 答え:確率的に登場人物の半分は女性なんだから,なんとかなるでしょ。

 では,はじまりはじまり……。


 銀色の髪,フランス人形のように愛らしい姿で小象に乗る,写真の少女の名はアリス。
 幼ないころ,高名な探検家の父と同じく著名な作家である母に連れられ,世界中を旅行する。飛行機や銃に荒らされる前のアフリカで野生のマウンテン・ゴリラを実際に見た最初の白人女性となり,カルカッタでは飢えた人々の間を歩き,まだ平和だったベトナムの森で子馬に乗って駆け回る。知的でエレガントで底なしにタフな母親から自立する闘いに疲れて12歳で自殺を試み,10代の末には自分を社交界にデビューさせるために企てられたニューヨークでのパーティと英国国王謁見の予定を含む世界一周旅行を台無しにするためだけに3日前に出会った男の子と駆け落ちして結婚,すぐに離婚。
 20代前半,グラフィック・アーティストとして雑誌に寄稿する一方,アナーキストと称して左翼運動に没頭。ヨーロッパで戦線が拡大した1942年には米陸軍に入隊,女性として初めて空軍情報学校を卒業,写真解析士官としてペンタゴンで働く。1945年,ドイツにわたり,のちにアポロ計画にかかわる有能な科学者たちを合衆国に連れ帰るプロジェクトに参加。そのプロジェクトの立案者で指揮官だったハンティントン・D・シェルドン大佐と結婚。CIAの発足とともに夫婦で冷戦時代のスパイ活動に深く巻き込まれる。
 いったん辞職願いを書いて夫のもとから姿をくらますが,40代後半になって基礎科学を学びたいと大学に入り直し,実験心理学に挑戦。大学を最優秀の成績で卒業,博士号を取得,心理学の講師となる。健康上の理由で講師を辞してのち,1968年,男名で作家デビュー。実験的,野心的,サイケデリックかつ骨太い作風の短編,長編で主な賞をたて続けに受賞。
 1977年,実は女であったことが暴露され,同時にそれまでの人生を明らかにして世界中のファンを驚愕させる。
 1987年,弁護士に後事を託す電話をかけ,病気で寝たきりとなった夫を射殺,同じベッドの上で自らの頭を打ちぬく。

 ……以上は,連作短編集『たったひとつの冴えたやりかた』収録作品のあらすじではなく,その作者,J・ティプトリー・ジュニア(アリス・シェルドン夫人)その人の生涯の概略である。

 『たったひとつの冴えたやりかた』は,作者の最後の作品集で,従来の実験的な作風とは異なり,穏やかでノスタルジーあふれる連作スペース・オペラとなっている。
 大宇宙にあこがれる少女コーティー・キャスが,16歳の誕生祝いに両親から贈られたスペース・クーペをこっそり遠距離用に改造して,遠い星々をめざす冒険の旅に出る。そして彼女は偶然,希望通り未知の生物と接近遭遇する。しかし……。

 失明し,アルツハイマーに苦しむ老いた夫と,心臓疾患の悪化した自分。かねてから夫婦の間に自殺の取り決めがあったとされる彼女が,本作の明るい少女と暗い結末にこめたものは何だったのだろう。

先頭 表紙

石川喬司というのは,星,小松らが出てきたころから,作家としてよりはSFや海外ミステリの評論,普及に努めた人で,『SFの時代』という評論集が最近文庫になったようですが,それ以外の著書(小説)は入手がかなり難しいだろうと思います。それにしても美奈子さま,こゆいSFをたくさんお読みですね。烏丸が一番熱心にSFを読んだのはかなり昔のことだったので,ゼラズニィやティプトリーは「最近の作家」なんです……。 / 烏丸 ( 2000-10-27 12:03 )
石川喬司という方は寡聞にて存じ上げませんでした。手に入ったらぜひ読んでみます。(後日、関係ない書評の時などにつっこんでしまってもよろしいでしょうか?) / ( 2000-10-27 06:14 )
ちなみにSFを読み始めるきっかけになったのは、今は亡きロジャー・ゼラズニィの真世界シリーズ(サイン&メッセージ入り本持ってます。イェーイ!)。 / 唯一自慢できる蔵書です。 ( 2000-10-27 06:11 )
有名どころではやはりフィリップ・ディック(彼がペーパーバックライターの地位にずっと甘んじなければならなかったのは信じ難いが、それゆえのあの作品群か)。ややマイナーではフレッド・ホイル(天文学者としては有名でしょうか?)。個人的にはスティーブ・エリクソンも立派なSF者だと思いますが(それを言うならまずピンチョンでしょ!とつっこまれそうですね。でも彼は難しすぎ〜!(泣))。 / 手元になくてかなり忘れてますが(汗) ( 2000-10-27 06:09 )
ちなみに,単なる本の虫だった烏丸の人生(目標職業?)を決定的にしたのは,SF作家・競馬評論家,石川喬司の『魔法使いの夏』という短編集でした。 / 烏丸 ( 2000-10-27 02:23 )
うーむ,美奈子さま,お詳しい。イチオシの作家は,レムやホーガン以外ではおりますか? / 烏丸 ( 2000-10-27 02:21 )
彼女がカミングアウトした時は衝撃が走りましたな。それにしても、こういう最期だったとは。こうしてみると『愛はさだめ、さだめは死』のタイトルも実に含蓄深いものがあります。合掌。 / ( 2000-10-26 21:09 )
無茶苦茶な人生を送る無頼派おっさん作家が渋いハードボイルド小説を書くようなもんなのでしょうか・・?私にも理解出来ませんわ。。 / エル ( 2000-10-26 19:01 )
エルさま,こんな山あり山ありの人生送っておいて,その上空想小説書こうという発想,烏丸にはよくわかりません。SFのご先祖さま,ジュール・ヴェルヌ(『海底2万マイル』『八十日間世界一周』『月世界旅行』『十五少年漂流記』など)は船にも乗れない旅行嫌いだったそうで,こちらのほうがよっぽど気持ちがよくわかる。 / 烏丸 ( 2000-10-26 16:02 )
しかしまあ、なんちゅー破天荒な人生なのでしょう。作者の女性。。まさに事実は小説より奇なり。 / エル ( 2000-10-26 13:26 )
それはそうと,『たったひとつの……』の表紙や本文イラストは,軍曹オススメ,『観用少女(プランツ・ドール)』の川原由美子でございますね。 / 烏丸 ( 2000-10-26 12:01 )
お、お恥ずかしい。単に決めているというだけでありまして、その内容がどうかというとこれがまた、お恥ずかしいと申しますか、なんというか、しどろもどろなのでありますっ。 / ケロロ軍曹 ( 2000-10-26 11:34 )

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